留学プログラム各代からのメッセージ

J-TOPの大きな要素の1つに、MDアンダーソンがんセンターへの短期留学プログラム(JME: Japan Medical Exchange Program)があります。

チーム医療のワークショップの参加者から選抜されたメンバーが、約5週間、MDアンダーソンがんセンターで学びます。現場でチーム医療に触れることで、ワークショップでの学びをさらに深め、医療人、リーダーとしての資質を養います。そして一緒に短期留学をした仲間とは、まさにチームビルディングも実践します。

留学後は、それぞれの実践現場での活躍はもちろん、学びを次の世代に継承していくべく、その後はワークショップのファシリテーターなどJ-TOPメンバーとしてさまざまに活動しています。

こちらでは、各年に参加されたメンバーからのメッセージをシリーズでお届けしていきます。

当時の現地報告はこちらから

2019年留学者より

短期留学プログラムの修了セレモニーにて MDアンダーソンがんセンターのメンターJoyceと

J-TOPは職種の垣根を越えて、コミュニケーション、連携を重視し「がんチーム医療」を発展させてきた団体です。がんのチーム医療の実践にはコミュニケーション、リーダーシップ、自己認識、医療者としてのキャリア形成などさまざまなスキルが必要とされています。

J-TOPでは、これまでこれらを自ら体験し、学べる場をオンラインや現地ワークショップ等を通じて提供してきました。医療従事者がそれぞれの病院でチーム医療のスキルを活かすことで、患者さんにとって最適な自己決定を支援し、満足度の高いがん診療を提供することを目標にしています。

医療の高度化、複雑化に伴いますます必要とされる多職種連携、チーム医療を実践し、がん患者さんのもとにより良いがん診療や、ケアを届けられるよう、私たちの活動にご支援いただければ幸いです。

JME2019一同

 

2018年留学者より

数年前に知り合いに誘われてJ-TOPのワークショップに参加するまでは、「チーム医療」という言葉は知ったつもりでいたものの、私の職種にはそれほど重要ではないだろう、それなりには行えているだろう、とぼんやり思っていました。しかし、チーム医療とは漠然としたチームワークで成り立つものではなく、それを効果的に展開するために必要な知識、技術があることをワークショップで知り、目が覚める思いでした。すべてのがん患者とご家族が望む形でがんと共生できる社会を作るために、チーム医療の知識、技術のエッセンスを20年間提供し続け、常に新しいチャレンジにも取り組み続けているJ-TOPの活動にご理解とご支援をいただければ幸いです。

Until I attended a J-TOP workshop several years ago, I thought I understood the term "multidisciplinary team approach," but I thought it was not that important to my work or that I was already doing it. However, it was an eye-opener for me to learn at the J-TOP workshop that the multidisciplinary team approach does not consist of vague teamwork but rather the knowledge and skills necessary to provide it effectively. I would be grateful if you would agree and support the activities of J-TOP, which has been providing the essence of such knowledge and skills for 20 years and constantly tackling new challenges in order to create a society in which all cancer patients and their families can live with cancer in the way they want.

静岡がんセンター 画像診断医 中島一彰

2016年留学者より

チーム医療を学ぶとはどういうことだろう?と思いながら2017年に初めてワークショップに参加し、その年のJapanese Medical Exchange Programメンバーに選んで頂いたことで学んだことが実践されている場であるMDアンダーソンでの研修の機会を得ました。

それぞれの専門、考え方、大事にしたいこと、患者さんの思いなど、様々な違いがありながらお互いを信頼し、議論を重ね、皆でより良いと思える方向へ向かっていけるようなチーム作り。決して簡単ではありませんが、「スキル」として身に着けられるコツや知識が手助けをしてくれます。しかし現在のところ、このJ-TOPのワークショップのようにチーム医療について医療者が学べる機会はそう多くはありません。都市部だけではなく、地方でもこういった学びが行き渡り、どこにいても患者さんが安心して治療に臨めるよう、J-TOPの今後の活動をご支援頂ければと思っています。

JME 2017 村上 朱里

2014年留学者より

J-TOPとの出会いは2013年。チーム医療に悩み苦しみ臨床現場を離れる決意をした後でしたが、何が問題だったのか答えをみつけるためにワークショップに参加しました。以来、私のように悩む方々へこのJ-TOPの活動が広がるように、同じ志をもったJ-TOPの仲間と協働していきます。患者さんとそのご家族を含めたチーム医療の輪を日本、そしてアジア全体に発信できるよう、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

My first encounter with J-TOP was in 2013. After struggling with a multidisciplinary approach and deciding to leave clinical practice, I attended the workshop to find answers to what I should have done. Since then, I have been working with like-minded members to spread the activities of J-TOP to those who are suffering like me. I would like to ask for your support so that we can spread the circle of team medicine, including patients and their families, throughout Japan and the rest of Asia.

JME2014 若杉歩

短期留学から帰国後、ワークショップでその成果を発表 仕事で来られなかったメンバーはお面で参加

2010年留学者より

MDアンダーソンがんセンターにて

2009年「夜も眠れない、熱いすごい研修があるらしいよ!」と医師から誘われ、ワークショップに参加しました。
JTOPでは、臨床でのもやもやしていた気持ちを言語化し、体系的に学んでいくことができます。また、多職種とのコミュニケーションでは、今まで知らなかった多職種の深い思いを知り、ワークショプ前までの何か伝わらないなという気持ちは、互いへの理解と変化していきました。

病気や子育てで、JTOPの活動から離れていた時期もありましたが、JTOPはいつも温かく迎えてくれる仲間の存在、安心感があり、"つながり”があります。
チーム医療について、時間もないしどうしたらいいのだろう、仲間を見つけられるかな、多職種と一緒に話す時間もないなど、以前の私のように、もやもやしている方もいるかもしれません。患者さん・周囲の方も様々な思いや葛藤があるかもしれません。

医療者も患者さんも患者さんを支える方も、共に歩む仲間になりませんか。
一緒に学んで行けたら嬉しいです。

JME2010 古賀範子

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